3分でわかる助成金 R7業務改善助成金① 制度の概要をまるっと理解◎

こんにちは、埼玉県で中小企業のサポートをしている社会保険労務士の高杉です。
今回から業務改善助成金について5回に分けてお話しします。
1回目は、制度の概要をまるっと理解していただければと思います。

業務改善助成金は助成額が大きく、
経営に与えるインパクトも非常に大きいため、
ぜひ積極的にご活用いただきたい制度です。

業務改善助成金とは?

業務改善助成金は、
事業場の中で一番低い時間給(以下、事業場内最低賃金といいます)が、
地域別最低賃金+50円(埼玉県だと1,128円)以下の場合において、
 ・その事業場内最低賃金を30円以上アップさせるとともに
 ・生産性向上のための設備やシステムにお金をかけた場合に
その費用の一部を国が助成してくれる制度です。

助成率はどのくらい?

助成率は、
設備の購入やシステムの導入にかかった費用 × 75% です。

ただし、助成額には上限があります。

上限額は?

上限額は、引上げ額と引上げ人数によって次のように決まっています。

コース区分引上げ額引上げ人数上限額
(右記以外)
上限額
(従業員30人未満)
30円コース30円以上1人30万円60万円
2~3人50万円90万円
4~6人70万円100万円
7人以上100万円120万円
10人以上※120万円130万円
45円コース45円以上1人45万円80万円
2~3人70万円110万円
4~6人100万円140万円
7人以上150万円160万円
10人以上※180万円180万円
60円コース60円以上1人60万円110万円
2~3人90万円160万円
4~6人150万円190万円
7人以上230万円230万円
10人以上※300万円300万円
90円コース90円以上1人90万円170万円
2~3人150万円240万円
4~6人270万円290万円
7人以上450万円450万円
10人以上※600万円600万円

※10人以上の上限額区分は、特例事業者のみ対象になります。

具体例で説明します

具体的な例を挙げて、助成額の計算方法を説明します。
※すべて従業員30人未満の事業者の場合

例1) 引上げ額45円 引上げ人数3人 (上記表より)上限額110万円

 フォークリフト購入費用100万円 × 助成率75% = 助成額75万円

 上限額以内なので、助成額はそのまま75万円となります。

例2) 引上げ額60円 引上げ人数5人 (上記表より)上限額190万円

  自動清掃ロボット購入費用300万円 × 75% = 225万円

  上限額190万円が助成額となります。

ここまでご理解いただけましたでしょうか?

『引上げ人数の数え方』、『特例事業者』については、次回以降で説明します。