令和6年度「働き方改革推進助成金」運送業の労働時間短縮コース

助成金活用法

運送業の働き方改革を支援する助成金があると聞いたのですが、うちの会社でももらえますか?

時間外・休日労働時間数を削減に取り組む運送業に対する助成金があります。

この記事では、受給できる要件、支給額、申請方法などの疑問にお答えします。

こんにちは、埼玉県で社会保険労務士をしております高杉(たかすぎ)です。

中小企業の人手不足解消には、助成金を活用した労働環境改善やクラウド導入が有効です。

このブログでは、「中小企業の持続的な成長を支援する」をテーマにさまざまな情報をお届けします。

運送業の働き方改革を支援する助成金とは

運送業は、令和6年4月から新たに時間外労働の上限規制が適用されました。

運送業の中小企業事業主がこの上限規制に対応するため、環境整備を行うことを目的とした取り組みにかかった費用について、その費用の一部を助成するものです。

中小企業における労働時間等の設定の改善の推進を図ることを目的としています。

助成金の対象となる事業主は

支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する中小企業事業主(個人事業主含む)です。

1.労働者災害補償保険の適用をうける中小事業主である。

2.自動車運転の業務に従事する労働者を雇用している。

3.令和6年4月1日時点および支給申請時点で、36協定が締結・届出されている。

4.交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則を整備している。

助成の対象となる取組

この助成金は、労働時間の短縮にともない支出した費用の一部を助成するものです。

労働時間を短縮するには、設備を導入して生産性向上を図ったり、人材確保の取り組みをしたり、もろもろの費用がかかりますよね。

そういった費用の一部を国が助成しますので、積極的に進めてくださいね。という考え方です。

具体的には、次のような取組にかかわる費用が助成対象です。

1.労務管理担当者や労働者への研修

2.外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) のコンサルティング

3.就業規則・労使協定などの作成・変更

4.人材確保に向けた取組

5.労務管理用ソフトウェアの導入・更新

6.労務管理用機器の導入・更新

7.デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

8.労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

助成額は

36協定の時間外・休日労働時間について、現在の時間数と縮減後の時間数との関係で助成額が変わるので注意が必要です。

具体的には次の通りです。

 対象経費の合計額 × 補助率 = 助成額(上限あり)

<現在の36協定の「時間外労働」と「休日労働」の合計が月80時間を超えている場合>

新たに設定する時間数補助率上限額
月60時間以下に設定3/4(4/5※)250万円
月80時間以下に設定3/4(4/5※)150万円
※常時使用する労働者数が30人以下かつ取組費用が30万円を超える場合は4/5となります。

<現在の36協定の「時間外労働」と「休日労働」の合計が月60時間を超えている場合>

新たに設定する時間数補助率上限額
月60時間以下に設定3/4(4/5※)200万円
※常時使用する労働者数が30人以下かつ取組費用が30万円を超える場合は4/5となります。

利用の流れ

助成金を受給するには、利用の流れを守ることが大切です。

順番を間違えると、1円も受給できなくなりますので、気をつけてください。

おおまかな流れは次のようになります。

3の「36協定の変更・届け出」と「助成対象の取組」は交付決定を受けたあとに行うことに注意してください。

交付決定の前に、支払いはもちろん、発注・契約などを行った場合も、その経費は助成対象になりません。

また支払いは、

 ・銀行振り込みで支払うこと

 ・助成対象の取組の費用以外のものと合算しないこと

に注意してください。

まとめ

働き方改革推進支援助成金を活用することで、労働時間の短縮に向けた取り組みを効率的に進めることができます。

助成金を活用して、業務効率化や環境整備を行えば、従業員の負担軽減と生産性向上が実現します。

中小企業にとって、この制度は持続的な成長を目指す上で大きな力となります。

労働環境を改善し、より良い職場づくりを進めるために、助成金制度を積極的に活用しましょう。

タイトルとURLをコピーしました